先日、「下剋上受験」という本を読みました。
もともと読書が嫌いというわけではないのですが、得意というわけでもないので、文庫本にも関わらず読み終えるまでに1か月半近くかかってしまいました、、、
この本は以前ドラマ化もされたので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ざっくり言いますと、とある小学5年生の女の子が、塾にも通わずに中卒のお父さんによる”親塾”で、最高峰の超難関私立中学に挑戦するというお話です。
以前のブログで、中学受験の算数は特殊な方法を用いて解く、ということについては触れました。
中学受験を、しかも最難関の中学校の受験勉強を、塾に通わずにご家庭で教える。実はこれ、ものすごく難しいことなんです。
中学受験用のテキストや問題をご覧になった方なら分かると思いますが、「小学生にこれを解かすの!?」といった問題がいたるところにあるわけです。
この本の中でも、”親塾”の講師であるお父さんは毎晩夜遅くまで予習を行い、時にはお子さんと一緒に悩みながら勉強していったとありました。
エピローグでは「もし、もう一度受験勉強を最初から始められるとするならば、中学受験塾に通わせるだろう。」ともありました。
なので、中学受験をご検討される場合は、塾に通われることを強くお勧めいたします。
(特に算数は、通塾が必須ととらえていただいた方がよいです)
実際にこの本を読んでみて、このお父さんの娘さんに対する姿勢・向き合い方に私は非常に共感いたしました。
「父さんは、お前を応援するんじゃない。お前がやらなくちゃいけないことの全部を一緒にやるんだ。」
私も、担当生徒がやる内容の”全部”とまではいきませんが、一定の事柄については「私もやってから教える」という事を徹底しております。
典型的な例が「過去問」です。
私は過去問を教える際、授業の準備として必ず最初から最後まで解いてから授業に臨みます。
その際、数学に関しては個人的な解説プリントを作成し、それをもとに授業を行っています。
(昨年度、井田個別での担当生徒向けに作成したプリントは、行き場を失って私の机の下に封印気味となっておりますが…)
だから、このお父さんが遅くまでお子さんのために準備をして、場合によってはオリジナルの解き方を考えてあげたりする気持ちがすごくわかります。
(こちらに関してはあくまで「私の授業スタンス」として述べているだけですので、この方法が正しいとか、間違っているという事を示しているわけではありません)
このように共感することが多かった本ではありますが、特に印象的だったのが、
「プロセスが大事だなんて言葉を信じてはいけない。結果にこだわるから評価されるプロセスになるんだ。」というお父さんのセリフです。
以前の私のブログでも「受験の意義は『経験』にある。ただし、全力で努力した場合。」という趣旨のことはお伝えしました。
下剋上受験のお父さんとは、共にお酒でも飲みながら受験について語り合いたいぐらいです笑
(私の表現よりもお父さんの表現の方が分かり易いですね笑 自分の文章力にあきれてしまいます…)
読んでよかったなあと感じた本は久しぶりです。
中学受験を検討されている方も、そうでない方にも読んでいただきたい本です。
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