中丸子神社と千木(ちぎ)
- 校長
- 3月30日
- 読了時間: 3分
更新日:3月31日
中丸子神社の桜の花も見頃の季節です。
神社の屋根を見上げると斜めにクロスした飾りの木があります。
千木(ちぎ)と言います。

切り口が水平だと女神、切り口が垂直だと男神だそうです。
千木(ちぎ)についての話は、古事記の国譲り神話にも出てきます。
大国主神(オオクニヌシの神)が、
「千木(ちぎ)が天まで届くような立派な神殿をつくり自分を祀ってくれたら国を譲る」
という話です。
国譲り神話のあらすじはこうです。
天照大神(アマテラスオオミカミ)は高天原で神々と相談し、
大国主神(オオクニヌシの神)に出雲の国を譲り渡すよう使者を派遣して交渉することにしました。
スサノオの子孫である大国主神(オオクニヌシの神)に使者は言います。
「あなたがウシハク国は、天照大神の子孫がシラスべき国であると伝えに来た。あなたの考えはどうか。」
古事記には国を治める方法が2つ書き分けられています。
「シラス」と「ウシハク」です。
「シラス」は「知る」「知らしめる」などからきた言葉で、「知り、慈しみ、民の幸せと国の安泰を祈って一体となる」
「ウシハク」は「主人履く」とも書き、「主人が力で土地や民を支配する」ことと考えられます。
大国主神(オオクニヌシの神)は二人の息子に意見を聞きます。
兄は国を譲ることに賛成しますが、弟は反対し使者と力比べをしますが負けて従うことにします。
そこで、大国主神が使者にこう答えます。
「息子たちの言う通り、この国をお譲りします。ただ、私の住み処として、大地の底まで宮柱がとどき、高天原まで千木(ちぎ)が高くそびえ立つほどの、大きく立派な神殿をつくって私を祀ってください。そうすれば、私は引退して身をかくします。」
平安時代の貴族の子弟教育のために作られた口遊(くちずさみ)で
雲太(うんた)和二(わに)、京三(きょうさん)という言葉があります。
背の高い日本の建物を三兄弟に例えて、
一番は雲太、出雲大社(出雲太郎)。二番目は和二、奈良の大仏殿(大和二郎)。三番目は京三、京都御所の大極殿(京三郎)の順だそうです。天皇の御所は三番目です。
今の出雲大社は高さ24mですが、近年、境内から直系1.3mの大木を3本束ねた巨大な柱の根本が発掘され、国譲り神話に基づく出雲大社が、世界最大の木造建築物である奈良の大仏殿よりもさらに高かったことが分かり、言い伝えが本当であったことが分かりました。
国を譲った大国主神を、敗者などと扱わず、むしろ、名誉をたたえ、日本で一番背の高く千木(ちぎ)がそびえ立つ立派な神殿をつくりお祀りする。
譲られた側も勝ち誇ることなく、魂を鎮める祭りを欠かさない。
古事記に書かれた「国譲り」の神話には、争いを避け、話し合いでものごとを決め、譲り合いの社会の在り方を理想としていた古代日本人の、ものの考え方を多く読み取ることができます。

地元の個別指導塾 中丸子校

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